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[電子機器・検査器]

2024年10月07日

mΩメーター

ハンディmΩテスター SK-3800 小学校の理科の実験で使ったことがある、電流・電圧・抵抗テスター。
前回と同じ書き出しですが、別物です。


本日の機器を紹介いたします。
kaise ( カイセ株式会社 )
ハンディmΩテスター SK-3800
抵抗値のうち、極小(10μΩ/0.0000001Ω)から小さ目(10Ω単位:最大40kΩ)を担当し、片手に持ちながら作業できる測定器です。一般名としては、低抵抗計でしょうか。
参考ですが、小学校等で利用するの多くのテスターでは1Ω単位、デジタルであれば0.1Ω単位です。ここから、この機器の繊細さが解ると思います。
補足ですが、極大抵抗を測る、㏁メーター(メガΩメーター)が存在し、絶縁すべき接点の点検に使います。



今回の抵抗のような極小抵抗の場合は、どのように使うのでしょうか?
コンセントなどに接続し、常時供給されている場合は別ですが、供給がなければ電池は消耗していきます。
そこで、回路内での電圧や電流を下げることによって、電池の消耗を抑えることができます。
それに併せて、抵抗値も下げる必要がでてきます
(オームの法則で説明できますが、アレルギー者に配慮して省略)。

この機器は、そのような電池を抑える回路にて利用される抵抗値を測るために使用します。
この使用方法を想定しているために、一般的な電圧、電流には耐えられないので、その点は注意が必要です。


使い方に関しては、形状をみてもらえば分かると思いますが、正しいレンジにダイヤルを合わせて、測りたい抵抗値を前後にクリップを挟むだけです。
事前に他のテスターのように、0リセットを行うことも忘れずに。

このSK-3800は、クリップにそれぞれ2本のケーブルが出ています。
安い機器では、2本の接点(2線式)だけですが、高性能のものは合計4本の接点(4線式)を備えているものがほとんどです。
1クリップに2本のケーブルを利用することで、ケーブル自身の抵抗値を相殺し、より正確な抵抗値を測ることができます。
この4線式をケルビン接続測定と呼びます。電流と電圧を別々に計測し、誤差を少なくする技法です。
クリップのテクニックとして、より正確な値を取得するために、同じ部品でも挟む位置が重要になってきます。



抵抗値は、温度にとても敏感です。
抵抗の仕様書などをみると、温度特性が掲載されているものもあります。
一般的に抵抗と呼ばれるカーボン抵抗は、一例で1000Ωでは5%の誤差を許容していますので、誤差はさほど気になりません。
低抵抗の場合は、誤差が小さいほど性能が顕著になるため、温度に気を付ける必要があるでしょう。
説明書には23℃での誤差などが掲載されています。
誤差を少なくするうえで、温度に気を配りながら作業を行います。



今回のSK-3800をはじめ、低抵抗計は、おしなべて高価です。
通常のテスターと桁が違います。
それだけ、高価な分、精密にできています。
DIYなど個人で利用することは少ないと思いますが、IoTを支えているエンジニアの心強いパートナーでもあったりします。


世の中には便利な道具がいっぱいあります。
上手に利用して、楽に、面白く制作しましょう!

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