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2025年01月13日 [アカデミック]

特許vs規格 (1)

GIF vs PNG Bluetoothは近距離無線(ワイヤレス)接続のデファクトスタンダード(業界標準)として、知っている方も多いと思います。
イヤホン、マウス、スマホ、PC等々が思い浮かびます。
利用者としては、どの機器も同じように接続できるので、便利ではあるのですが・・・
Bluetoothを組み込んだ機器を製作するとなると、色々制約があるのも事実です。

IT業界でも歴史は繰り返す。
ライセンス問題等が業界を騒がせた事例が多いです。
今回は、そんな歴史の一端を覗いてみましょう。



1:JPEG と GIF vs PNG
インターネットが普及し始めた1990年代。
画像のフォーマットはJPEGとGIFが大半を占めていました。

JPEGは不可逆圧縮。
不可逆圧縮は、元の画像(ビットマップ)を圧縮した場合、情報の省くことで圧縮効率を高めています。
よって、ドット単位で比較すると、元の画像と色が異なる場合があります。

ノイズが乗っても影響が少ない画像に使われていました。
写真などによく利用されているのは、ご周知のとおり。
ノイズが乗ったとしても(場合によってはノイズが乗った時の方が良いことも)、遜色がないのが使いやすいと思います。
現在でも、属性情報などが位置情報やカメラ・撮影情報などのタグが拡張されていることから、需要と供給ともにベストチョイスだと思います。

一方のGIF。
このフォーマットは、可逆圧縮の画像フォーマットとなります。
可逆圧縮は、圧縮しても元の画像(ビットマップ)と、まったく同じ画像になる圧縮形式です。
透明色が利用できたり、色数が限られていたり、アニメーションができたりと、サイトバナーなどに多用されていました。
現在でも、稀に見かけますし、画像ソフトの保存形式に名残があります。

GIFに対抗するために誕生した可逆圧縮の画像フォーマットとなります。
GIFに比べると、アニメーション機能がない位が目立つものとなります。



GIFは現在盛り返しはあるものの衰退し、PNG形式にとって代わられているでしょう。
筆者が、当時の事件を体験しているので、その記憶が強い可能性もあります。
では、アニメーション機能がなくなった劣化(?)したフォーマットが誕生したのでしょうか?

このPNGが登場(発明)には、GIFの特許騒動が発端となります。
GIFで利用されている技術(アルゴリズム)の特許を保持する企業が、ある日突然特許料の徴収を宣言したのです。
特許を取得していて、開発費用がかかっているので、請求したい気持ちもわかります。

ただ、業界標準になったときに起きた騒動。
Adobeなどの大手企業なら十分払うことができましたが・・・
フリーソフトクリエイタには厳しい状況です。中には公開をやめてしまったソフトも多数ありました。


ここからがネット社会らしいですが、プログラマ・ハッカーの反骨精神が発揮されました。
特許部分を回避する新しい画像フォーマットを開発したのです。
この画像フォーマットがPNGとなります。
この結果を受けてか、特許料の宣言は取り消されました。



Webでよく利用されているJPEG、GIF、PNGについて、歴史なども含めて紹介しました。
次回は、ハードウェアの似た話を紹介したいと思います。


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