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2025年03月03日 [電子機器・検査器]
非破壊検知器

また、九州熊本(2016)、北海道胆振(2018)・・・。
そして21世紀最大の被害を出した3.11東日本大震災(2011)。
国内だけでも地震大国の名を冠するだけはあります。
さて来週は、3.11の発生から14年目へと移行します。
当時生まれた子どもは、中学生。
時の早さに驚くとともに、一日も早い復興と、亡くなられて方へはご冥福をお祈り申し上げます。
さて、地震で建物が崩壊。
その中に取り残されたと仮定します(つまり生き埋めですね)。
建物を慎重に破壊しながら、全撤去できればよいのですが、時間との勝負で人員・機材が限られている以上限界があります。
また、建物を無暗に破壊すると、連鎖倒壊が生じ、さらに犠牲者が出る可能性もあります。
こんなとき、どうすれば良いのか?
被災者のアピール(ホイッスル等)などが一番でしょう。
そして、非破壊による探索になります(やっと登場)
以前に紹介した「サーモグラフィ」なども活躍します。
今回は、どちらかといえば建築物の内部構造を調べる機器です。
本日の機器を紹介いたします。
Zhangzhou WeiHua Electronic
金属・交流電圧検知器 WPP-123TM-204
対応深度 30mm程度
(写真の左側の機器。右は後述)
この機器は、主に家庭用。
壁に埋め込まれたてた金属パイプや配線を検知します。
1コイン(500円)から1ビル(1,000円)程度で購入できます。
そして、残念ながら冒頭で紹介した非破壊検知には向いていません。
(Max3cmなので)
この検知器は、2つのモードがあります。
箱説には3 in 1なのですが・・・
一つ目は金属探知機。
金属、銅管を検知します(これで2つ)。
もう一方は、交流電圧。
壁内に埋められている通電している電線を検知します。
使い方は簡単。
金属探知機モードか通電ケーブル検知モードにスイッチを入れ、壁等をなでる様に場所を探していきます。
目標物を探知すると、LEDが光り、ブザー音がなります。
電源を兼ねた感度調整ダイヤルにて調整もできます。
金属探知機としての利用例です。
感度ダイヤルを一回転位にして、ブザーと赤いLEDが光る場所を探します。
ある程度、範囲を絞れたところで感度を落としてゆき、目的物の位置を特定します。
ただ、探査範囲が短いので、はじめから感度を落としても、そこそこ使えたりします。
実験を行ったところ、ステープラの針には反応せず、鍵程度の大きさから正常に反応しました。
センサー部は結構せまく、シビアに感じました。
ただ、範囲が大きいよりは特定にかかる手間が減るので、これでOKなのでしょう。
今回のテーマである非破壊検査。
その用途で考えますと、
地中に穴を掘るときに水道管が通っていないか。
壁紙の上から、壁の接合に利用した釘位置の測定で、ビスの打ち込みが可能か。
などが一般的に思いつきます。
工業的な計測器の場合では、スケルトン(壁紙、床板、天井などがない)部屋の構造を把握するのに利用します。
スケルトンには、天井を吊るすように金属の骨組みがなされています。
天井を外さず、スケルトン部屋の天井骨組みを知ることで、機器の設置などが安全に行えるようになります。
(プロジェクタなどが良い例ですね。部屋の天井に使われる素材は脆いのが多いです)
春休み、子どもと一緒に、砂場やビーズクッションに金属の宝を埋めて、探してみるのはいかがでしょうか?
この遊びから、理科や科学に興味を持つかもしれません!
他にも、金属とプラスチックの仕分けなどにも利用できそうです。
通電ケーブル探知機としての利用例です。
ケーブルに近づくと、LEDの点滅速度が高速になります。
それに伴い、ブザー音も連動します。
こちらは、壁に埋められたケーブルの位置を調べるのに役立ちます。
通電していないと利用できませんが、壁を剝ぐ場所を最小限に抑えることができるでしょう。
(有ってはならないことですが、設計図と敷布された線が異なることがあるようで)
最後に捕捉を。
写真右側に写っている測定器。
これは、木製等用の柱検知機器となります。
一軒家では、鉄筋コンクリート、木組みがあるので、用途に合わせて使い分けましょう!
世の中には便利な道具がいっぱいあります。
上手に利用して、楽に、面白く制作しましょう!