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2025年02月10日 [アカデミック]

特許vs規格 (2) ディスプレイ出力

ディスプレイアダプタ 前回、インターネット上でよく利用されるPNGフォーマットの歴史を紹介しました。
その誕生の裏には、特許と行使が多く関わっていました。

今回は、第2回としてハードウェアの規格について紹介していきます。
対象としてデジタルデバイスからテレビ・ディスプレイなどに映像※を出力する規格となります。
※規格によっては音声も転送


現在、PCからディスプレイに出力するための規格は4つで占められていると思います。
古い順に以下のものとなります(写真で、左側から順)。
・VGA
・DVI
・HDMI
・DP (ディスプレイポート)

では、順番に見ていきましょう。



まずはVGA
アナログ信号を送信して、ディスプレイに表示する規格です。
VGAはブラウン管(ディスプレイ筐体が大きくて重く、内部にガラスを用いている)と相性が良いです。

ソケットの形状は、D-Sub 15ピンと呼ばれたりします。
ソケットの外郭がD-Sub規格で、内部に15本(VGAでは、一列5ピン、3段)のピンが存在します。

他には、現在ではあまり見かけませんが、D-Sub9ピンも有名です。
このD-Sub9ピンは、ゲームのコントローラ接続に利用されていました。
いつか、「アプリ屋さんのIoT」で自作しても面白いと、構想をしております。


他の3規格と比較すると、唯一アナログ信号でデータの送受信が行われているのが特徴でしょうか。
構造が簡単、制御回路が安いのが理由なのか、現在でもデスクトップPCには装備されていることも。



次はDVI (Digital Visual Interface)。
こちらはデジタル信号のインタフェイスとなります。
ディスプレイがブラウン管から液晶に移行していきました。
液晶ディスプレイは、デジタル信号を直接表示するため、VGAなどアナログ変換が不要となります。
そこで開発されたのが、今回のDVIとなります。

昔のことですが、液晶ディスプレイに変更し、DVIを用いた画像を見たとき、感動したことを思い出しました。
(ブラウン管は、ややボケる)



続いては、もっともポピュラーであり、業界標準のHDMIです。
このHDMIが今回の主役となります(前回のGIF)。

PCに限らず、スマートフォンやゲーム機なども対応し、
「画面につなげるならHDMI!」
というのが、印象にあるのではないでしょうか?


HDMIは、デジタル信号ではあることはもちろん、音声信号も送ることができます。
これは、通常状態の利用方法で、唯一音声信号を送ることができます。
(拡張仕様なら次のDisplay Portでも可能)
つまり、Blu-Rayやゲーム機などをテレビに接続するだけで、映像と音声とを1本ケーブルで完結できます。
PCでは、必須ではありませんが、ホームシアター、動画配信サイト(YoutubeやNetflix)、ゲーム機などなど。
個人用のデジタル機器では、ベストチョイスだと思います。


本題に入りますが、実はこのHDMI。
ライセンス料が必要だったりします。
何か、前回と似た雰囲気が出てまいりました。



最後に紹介するは、最近注目されてきている、Display Port (略:DP)を紹介します。
この規格はHDMIのライセンス料に対する、業界からの期待※もありますが、
先述のDVIの後継機の意味合いが強いようです。
※ライセンス料を支払うと、製品価格への上乗せにつながる。

一応、ライセンスは無料っぽいのです。
ただ、組合に所属しないと利用できないようで、特許なども絡み、完全なコスト0とはいかないようです。
個人的には、開発コストはかかっているはずなので、後出しや高額でなければ利用料は賛成です。


ちょっと負の話も交じってしまいましたが、Display Portの性能は段違いです。
DVIでは、1,000番台の画素数でしたが、Display Portではハイビジョンも含めて超高解像度に対応しています。
その解像度は、医療用にも十分対応可能らしく、その性能は折り紙つきでしょう。
そして、先のHDMI時に話題になった音声ですが、一応オプション扱いだそうですが・・・
多くはHDMIの代替品となるように、実装されているのではないかと、推測しています。



今回は4つの映像出力ポートについて紹介しました。
それぞれ、特徴があり、歴史があり。
技術者としては面白い教材ではないでしょうか。


個人的に興味深いのは、それぞれの規格同士で変換機が売られていること。
いずれの規格も、過渡期なのかと興味深く思いながら、紹介してきました。

次回はついにBluetoothについて、紹介していきます。




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